パパに対する育児ハラスメント「パタハラ」の実態
ママに対する育児ハラスメント「マタハラ」をご存知の方は多いはずです。では、パパに対する育児ハラスメント「パタハラ」はご存知でしょうか。
以前に比べ、育児に積極的に参加したいと考えるパパが増えているので、パタハラが注目を集めつつあります。
パタハラとは、具体的にどういったものなのでしょうか。パタハラが誕生した背景と具体例、パタハラにあったときの対策などを解説するので、興味をお持ちの方は参考にしてください。
パパの育児を邪魔するパタハラ
パタハラは、英語で父性を意味する「パタニティ(Paternity)」と「ハラスメント」を組み合わせた「パタニティ・ハラスメント」の略語です。
パパが育児に参加して父性を発揮することを、会社の上司や同僚などが邪魔すること、あるいは邪魔する言動を行うことをパタハラといいます。
パタハラは、マタハラに対する言葉として誕生しました。
マタハラとは、英語で母性を意味する「マタニティ(maternity)」と「ハラスメント」を組み合わせた「マタニティ・ハラスメント」の略語。妊娠・出産した女性が職場で受ける精神的・肉体的いやがらせをマタハラといいます。
つまり、育児に参加して父性を発揮したい男性が職場で受ける精神的・肉体的いやがらせをパタハラというのです。
パタハラを引き起こす原因
パタハラはどのような原因で引き起こされるのでしょうか。主な原因を紹介します。
価値観の違い
パタハラの最も大きな原因として挙げられるのが、価値観の違いです。
現在の子育て世代は、育児に積極的に参加したいと考える男性や子育ては夫婦でするものと考える男性が増えています。これに対し上司世代は、子育ては女性がするもの、男は外で働くものと考える方が少なくありません。
これらの価値観の違いなどにより、パタハラが引き起こされるのです。また、同僚の中には、誰かが育児に参加することで自分にしわ寄せがくることは納得できないと考える方もいます。このような価値観の違いも、パタハラを引き起こします。
会社の体制
以上のほかでは、人員補充が行われないなど、会社の体制もパタハラの原因になり得ます。育児参加したいものの、会社の体制が整っていないため諦めざるを得ない男性は少なくありません。
パタハラの事例
日本労働組合総連合会が、子どもがいる525名を対象に「職場でのパタニティ・ハラスメント」について調べた調査によると「職場でパタハラをされた経験がある」と回答した方は11.6%でした。
具体的に、どのようなパタハラが行われているのでしょうか。
制度の利用を認めてもらえない
日本労働組合総連合会が行った調査によると、最も多いパタハラは「子育てのための制度利用を認めてもらえなかった(5.5%)」でした。
育児休業を申請したが認められなかったケースや子育都合の早退を認めてもらえなかったケースなどがこれに当てはまります。
昇進に影響する
日本労働組合総連合会が行った調査によると、2番目に多いパタハラは「子育てのための制度利用を申請したら上司に育児は母親の仕事、キャリアに傷がつくなどといわれた(3.8%)」でした。
育児で仕事に迷惑をかけるのであれば評価を落とすなどの発言がこれに当たります。
実際に、育児休業を利用した結果、昇進試験を受けられなかったケースや子育ての都合で中抜けした結果、重要なプロジェクトから外されたケースなどもあります。
職場で嫌がらせを受ける
日本労働組合総連合会が行った調査によると、3番目に多いパタハラは「子育ての制度を利用したら嫌がらせをされた(3.8%)」でした。
仕事の割り振りが不当に多くなる、仕事を手伝ってもらえない、重要な情報を与えてもらえない、上司や同僚から冷たくされるなどのケースがこれに当たります。
出典:(PDF) 『パタニティ・ハラスメント(パタハラ)に関する調査』連合 日本労働組合総連合会 [PDF]
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