待機児童がマイルドイクメンにもたらす影響を考える

待機児童がマイルドイクメンにもたらす影響を考える
育児

子育て中の共働き世帯を中心に、遭遇しがちな問題が待機児童問題です。

待機児童問題とは具体的にどのような問題を指すのでしょうか。また、いつ頃から問題として認識されるようになったのでしょうか。待機児童問題の概要と歴史を解説します。

併せて、マイルドイクメンに与える影響も紹介します。無関係と思っていると思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。子育て中のパパは必ずチェックしておきましょう。

待機児童問題とは

待機児童問題と聞いても詳しくイメージできない方が多いかもしれませんね。最初に、待機児童問題の概要を解説します。

待機児童とは

待機児童問題は、待機児童に関連する問題と理解することができます。

待機児童とは、保育所に入所する資格があり入所申請をしているのに、定員オーバーのため入所できない児童のことです。入所できる順番を待っている状態なので待機児童と呼ばれています。

待機児童に関連する問題とはどのような問題なのでしょうか。

働きたくても働けないパパとママ

保育所へ入所申請をする方の多くは、育児が落ち着いて職場復帰などを考えているパパやママです。

保育所へ入所できないと、働いている間、子供の面倒を見てくれる人がいないので職場復帰などをすることはできません。

保育所へ入所できないため働きたくても働けないことを待機児童問題と呼んでいます。待機児童問題は、当事者の自己実現を阻む、社会から労働力を奪う可能性があります。

待機児童問題の歴史

待機児童問題が意識され始めたのは1990年代といわれています。1980年代から少子化が問題視されるようになり、政府は子育て支援と育児をしている女性の労働力の活用を打ち出しました。

出産後も働きやすい環境を整えるため、育児休業制度の義務化や0歳児や1歳児保育を行う保育施設の充実などを図る中で待機児童問題が意識され始めたのです。

厚生労働省が発表している「保育サービスの需給・待機状況(平成12年4月1日)」によると、1995年の待機児童数は28,481人でした(国による初めての集計とされています)。[1]

待機児童問題対策

子育てしやすい環境を整えるため、国は待機児童問題を解消する様々な対策を打ち出します。

例えば、「待機児童ゼロ作戦」を展開することで平成14年度から平成16年度までに15.6万人の受け入れ児童数の増加、「子供・子育て応援プラン」を展開することで平成21年度までに保育所受け入れ児童数を215万人まで拡大することを図っています。[2]

さらに、平成25年度から平成27年度にかけて「待機児童解消加速化プラン」などを打ち出すことで31.4万人分の保育受け入れ枠を確保しています。[3]

解決しない待機児童問題

解決しない待機児童問題

様々な対策を打ち出しているにもかかわらず待機児童問題は解決していません

厚生労働省の発表によると、平成30年4月1日時点の待機児童数は19,895人です。前年より6,186人減少していますが、それでも2万人近い待機児童が存在します。

都市部(7都道府県(東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・京都・兵庫)・指定都市・中核市)とそれ以外の地区の待機児童数率を比べると、都市部0.86%に対しその他同県は0.54%です。[4]

待機児童問題は都市部ほど深刻であることがわかります。

待機児童問題が解決しない理由

少しずつ子育てしやすい環境は整っていますが、待機児童ゼロの達成には程遠い状態です。待機児童を解消できない理由として次の原因などが挙げられています。

働きたいパパやママの増加

都市部などでは定員を拡大すると、働きたいと考えるパパやママも増加するといわれています。また、近隣からの転入により申し込みが増えることもあります。

児童の増加

少し意外ですが、児童の増加も都市部の待機児童問題に関係していると考えられています。一部の都市部では、未就学児が増えています。これにより、待機児童数も増えていると考えられているのです。

保育士と土地の不足

都市部では保育士と土地の不足により受け入れ児童数を増やすことが難しいとされています。これらも待機児童問題の解消を阻んでいます。

「保育園落ちた日本死ね」問題

「保育園落ちた日本死ね」問題

残念ながら、様々な対策を講じているにもかかわらず日本の待機児童問題は解消していません。

辛い日々を過ごすパパやママを代表する声として注目を集めたのが「保育園落ちた日本死ね!!」と題した匿名のブログです。メディアなどで取り上げられて、政府や社会が待機児童問題を考え直すきっかけとなりました。

何なんだよ日本。

一億総活躍社会じゃねーのかよ。

昨日見事に保育園落ちたわ。

どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。

子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに日本は何が不満なんだ?

引用元:保育園落ちた日本死ね!!!

少々過激な発言にもみえますが、待機児度に悩む主婦の気持ちを嘘偽りなく代弁した発言として、共感されたママさんも多かったのではないでしょうか。

待機児童問題とマイルドイクメンの関係

待機児童問題とマイルドイクメンの関係

待機児童問題は当事者たちにとって切実な問題です。万が一、子供が保育園へ入れない場合、マイルドイクメンにどのような影響があるのでしょうか。

仕事復帰できないママがイライラ

最も大きな影響は、仕事復帰したいにもかかわらずできないママがイライラすることです。マイルドイクメンは気を使って生活することになります。

幸いなことに、保育所へ入園できない場合などは育児休業を2年まで延長できるので、制度を教えてあげると良いでしょう。

これまで以上の育児参加をもとられるかも

入園できる保育所を探すため、あるいは復職するため、ママのサポートを求められるかもしれません。

つまり、これまで以上の育児参加を求められる恐れがあります。ママがイライラしている場合は、素直に従うしかないでしょう。

飲み会や趣味の時間が減る

育児参加が増えると飲み会や趣味の時間は減ります。マイルドイクメンにとっては、最も避けたい事態かもしれません。

世帯収入がダウン・・・

育児休業中は雇用保険から育児休業給付金が支給されます。支給額は育児休業を開始してから180日目までは休業開始前の賃金の67%、それ以降は50%です。

ママが育児休業期間を延長すると世帯収入はダウンしてしまいます。

まとめ

待機児童問題について解説しました。マイルドイクメンには無関係と思ってしまいがちですが、子供が待機児童になると飲み会や趣味の時間が減る、世帯収入が減るなどの影響が現れるかもしれません。

日々の楽しみがなくなってしまうので深刻ですよね。子供のため、ママのため、そして自分のため、出来れば早く解消してほしいですよね。

出典:
[1]:『保育サービスの需給・待機の状況(平成12年4月1日)』厚生労働省
[2]:『待機児童について』厚生労働省
[3]:『保育所等関連状況取りまとめ(平成28年4月1日)及び「待機児童解消加速化プラン」集計結果を公表』厚生労働省
[4]:(PDF)『保育所等関連状況取りまとめ(平成 30 年4月1日)」を公表します』厚生労働省[PDF]

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ICHIpapy

東京の下町に住む一児のパピー。パパパパパピーの編集長として、マイルドに育児に取り組む。

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